Others
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「ですから、オレは御厨先輩の親衛隊を抜けます。」
……は。
あんまりにもアッサリ言われた言葉に、オレは呆然とした。
え、今、抜けるって言った?
親衛隊長が??
置いてきぼりなオレらを余所に、叶は何ともアッサリと、次の衝撃発言を告げる。
「…そして、御厨剣親衛隊そのものも、本日を以て、解散致します。」
うっわー…。
親衛隊長が隊を抜ける以上の衝撃発言がきた。
隊ごと解散て。
いいの?と視線で問うたオレに、叶は頷いた。
「望まれていない手助けは、押し付けになる。…それに、もう彼は、俺達が助けたいと望んだ彼じゃない。」
「…っ、」
ビクリ、と御厨先輩は、体を揺らした。
彼らの期待と好意を裏切った後ろめたさは、一応あるんだろうか。
「今の貴方を助けたいと思う隊員は、もう一人もいない。…さようなら、御厨先輩。お世話になりました。」
叶の言葉とともに、オレはもう一度、机の上の紙切れを彼に突き付けた。
貴方が切り捨てた人間に、今度は貴方が切り捨てられるんだ。
いい加減、覚悟を決めろ。
「…サインをいただけますか?御厨先輩。」
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