Others
12
らしくなく、諭すような声で言ってみたが、通じるわけもなく。
…まぁ、これで通じる位なら、こんな事にはなってないわなー。
「……お前、嫌い…!!…ケイの方が、ずっ、と優しいっ…!!」
癇癪をおこす子供のような書記にオレは、もうこれ以上の問答は何の意味も無いなと判断した。
「…当り前でしょ。オレ、アンタ嫌いだし。何で優しくしなきゃならないの?」
突き放す言葉を投げると、書記はヒュ、と息を不自然に吸い込む。
嫌い、と自分は叫ぶくせに、嫌われるのは、こたえるのか?
…馬鹿馬鹿しい。
アンタが言った通りオレは優しくないから。
嫌いには嫌いを返すよ。
「…オレは、アンタの周りみたいに優しくないし。…寧ろオレの好きな人達の好意を無下にしたアンタなんか、大っ嫌いだね。」
泣きそうに顔を歪める書記に追い討ちをかけると、オレの『好きな人達』に反応した彼は涙目で、キッと睨み付けてきた。
「ケイはっ、…あげ、ないっ…!」
「………………………………………は?」
ケイ?ケイっつった?
オレの『好きな人達』にケーワイ君がランクインしてるとか思ってんの?アホか。
「そんなモンいらねーし。」
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