Others
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「…別に、好きにすれ、ば?…なりたくて、なったわけじゃないし…。」
平坦な声でそう呟く彼に、オレの中の何かがキレた。
まぁ、堪忍袋のなんとかとか、そんなやつ。
効果音いれるなら、
ブッチィッッ!!だ。
なりたくて、なったわけじゃない?
なら、なるなよ。
勝手に周りの声を弾いて、聞かないふりも結構ですが、アンタは知るべきだ。
周りの優しさと、
己の愚かさを。
「…………。」
隣で傍観していた叶も、不愉快そうに眉をひそめる。
失望した。
と、声無き声が聞こえてきそうだ。
「…なら、とっととサインいただけます?甘ったれで世間知らずな書記さん。」
「………。」
オレの挑発的な態度と言葉に、書記さんの怒気が増した。
「…………。」
「言いたい事があるなら、ちゃんと言ったらどうです?何の為に、口があると思ってんのー?」
ズケズケものを言うオレに、書記さんはどんどん視線を剣呑にする。
彼にとって、『言葉にしろ』が地雷なのはよく知ってます。
知ってるけど、敢えて踏む。
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