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つーか誰かと間違ってるよ!?しずかちゃん!!
このままじゃ、オレとチューしちゃうし!!
オレは間近に迫った彼の顔を、遠慮も色気も無く、はしっと掴んだ。
「しずかちゃん待った!!…オレだよ、分かる?」
「……………?」
しずかちゃんは、必死な形相のオレを見上げながら、不思議そうに首を傾げる。
「………りっちゃん?」
「そうオレ!!」
相変わらず覚醒してなさげな、ぼんやりとした様子で、しずかちゃんは何かを考え込む。
そして何を思ったのか…
彼の頬を両側から挟んでいたオレの手、…親指に
チュ、とキスを落とした。
「×○☆◆※■■〜!?」
オレは声無き悲鳴をあげ、バッと手を引く。
ちなみに体ごと飛び退りたかったが、しずかちゃんの頭が膝の上にあるので無理だった。
しかし、ガクン、と揺らしてしまったせいで、しずかちゃんの目がパチッと開かれる。
ぼんやりとしていた雰囲気は霧散し、ちゃんと覚醒したらしいしずかちゃんは、数度瞬きをし、マジマジとオレを見た。
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