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「……………りっちゃん?」
林檎も負ける位、顔を真っ赤に染め、チューされた方の手を握り締めるオレを、しずかちゃんは見開いた目で見つめ、もう一度名を呼んだ。
そうだよ、オレだってば。
なんで彼女さんにするみたいに、無駄に甘い朝を演出して下さってるんですかアナタは!!
「………え?…あれ?………夢、だよね…?」
何故かしずかちゃんは、混乱したように何かを呟いた。
テンパっていたオレは、そんな言葉の意味なんて、考えてなかったけど。
「………………りっちゃん、」
「……なに。」
「…………これ、現実…?」
「…勿論。」
「………、…っ!!」
オレの言葉を聞き、頭の中で繰り返すかのように、数秒、固まっていたしずかちゃんは、息を飲み、突如ガバリと起き上がった。
「………っ」
「うわっ!?」
頭突きしそうになるのを、慌てて回避。
起き上がったしずかちゃんは、素晴らしい身のこなしで、オレから離れ、飛び退さる。
おお。
オレがさっき、やりたかった行動だね。
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