[携帯モード] [URL送信]

Main
6
※日下部視点です。


情報屋が…というより、『ハイエナ』が一個人に肩入れするなど、誰が思い付くだろう。


能力の高さと共に、そのえげつない仕事ぶりでも有名な、非情な情報屋が、自分以外の為に動くなど。


「…本当に、楽しませてくれる。」


愉快そうに哂う男を見て、私は思い至る。


――そうだ。


この男の興味を引く存在自体、異例中の異例。


その人物そのものが、既に規格外なのだ。
私のような、枠からはみ出せぬ凡庸な男に推し量る事など、端から不可能。


「……………。」


…これ以上は、仕事の範疇を超える。

関わるべきでは無い。


それは分かっている筈なのに、


…滅多に動かぬ、私の好奇心が、擽られた。


「…暁良様。」


「………。」


呼び掛けると、視線で、『何だ』と促された。


「…何故、それほど興味を抱いたのか、お聞きしてもよろしいですか。」


私の言葉に、男は僅かに瞳を瞠った。


.

[*前へ][次へ#]

18/118ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!