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※日下部視点です。
情報屋が…というより、『ハイエナ』が一個人に肩入れするなど、誰が思い付くだろう。
能力の高さと共に、そのえげつない仕事ぶりでも有名な、非情な情報屋が、自分以外の為に動くなど。
「…本当に、楽しませてくれる。」
愉快そうに哂う男を見て、私は思い至る。
――そうだ。
この男の興味を引く存在自体、異例中の異例。
その人物そのものが、既に規格外なのだ。
私のような、枠からはみ出せぬ凡庸な男に推し量る事など、端から不可能。
「……………。」
…これ以上は、仕事の範疇を超える。
関わるべきでは無い。
それは分かっている筈なのに、
…滅多に動かぬ、私の好奇心が、擽られた。
「…暁良様。」
「………。」
呼び掛けると、視線で、『何だ』と促された。
「…何故、それほど興味を抱いたのか、お聞きしてもよろしいですか。」
私の言葉に、男は僅かに瞳を瞠った。
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