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※日下部視点です。


「…ハイエナが、《陰/陽》についたと?」


「それはねぇな。」


私の言葉を、男は即座に否定した。


「ハイエナは、組織には決して属さない。それは奴がずっと通してきたルールであり、強みでもある。…組織に属するという事は、後ろ楯が出来る等のメリットもあるが、面が割れるというデカいデメリットが付き纏う。…《陰/陽》の朱雀がいい例だ。」


朱雀は情報戦に長けた《陰/陽》のブレーンだが、最早『情報屋』では無い。


人の弱みを金で売り買いする後ろ暗い商売の人間が、表に出る事の恐ろしさを、奴は重々承知しているだろうから。


…当然、ハイエナがそんな愚行を犯すはずもなく。


「…ならば?」


「…《陰/陽》では無く、『陰』個人についた、と判断するのが、妥当だろうな。」

「!!」


事も無げに言われた言葉に、私は二の句が継げなくなった。


それはある種、チームに所属するよりよっぽど、希少で異常な事態。


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あきゅろす。
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