Main 03 「………………。」 予想はしていたけれど、視線が突き刺さる。 もう面は割れているらしく、擦れ違う人々から向けられる好奇と敵意。…オレ、地味顔だから、覚えるのに時間掛かるんじゃないかという淡い期待は潰えた。 「不細工なくせに、会長様に取り入ろうなんて図々しい!!」 「どんな卑怯な手をつかったんだろうね?」 可愛らしい容姿の少年等は、聞こえよがしに悪口を言いながら、鋭い目付きでオレを睨んでいる。 視線に呪いがこもってる絶対!!何か胃が重いもの!! 「……え、アレなの?超モブ顔じゃん。」 「美少年を期待してたのに!」 ガタイのいい連中は、敵意は無いものの、オレを見てあからさまにガッカリしていた。 だがソレに対しての反論は無い。寧ろザマァ。 「………………、」 オレは、教室の前で一度足を止める。 …下駄箱や、廊下での事は、ある程度予想がついていたから、それほどショックでは無い。 見ず知らずの人に嫌われても、大したダメージにはならない。だってアンタら、オレの何を知ってるの。 オレを否定するだけの材料を、アンタらは持っていないだろう、と言いたい。 …でも、クラスの連中に嫌われるのは、少し痛い。 今まで結構楽しくやっていたから、余計に。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |