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「…それで、これからどうするんだ?」


気を取り直したように、西崎は話を戻す。


「…………、」


どうするか、と聞かれても、今のところ、無策。
良い考えなんて、まるで浮かばない。


「…会長に見つかったのは、間違い無いのか?」


バリ、と煎餅の袋を開けながら、武藤はオレに確認をとった。


…緊張感を持とう。お願いだから。


「…うん。」


残念ながら、勘違いではないだろう。
今もあの笑みを思い出すと、背筋が凍る。


音無く、動きだけで伝えられた言葉は、オレの脳裏で低い声として再現された。


『見つけた』、と。


「……なら、連絡しといた方が無難じゃねぇ?」


バキン、といい音をさせ堅焼き煎餅を噛み砕いた武藤は、飲み下した後、そう提案した。


「……連絡?」


誰に?

そう視線で問うオレに、武藤はバリ、と煎餅を咀嚼した後、暫く溜めて、呟く。


「…お前の保護者。」


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