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※第三者視点です。
「…相変わらず良くまわる口だこと。」
憎々しげに吐き捨て、耀子は掴まれた手を振りほどく。
「…撫子さん。貴女もよ。」
「…っ、」
厳しい視線を向けられ、撫子はビクリと身を堅くした。
「貴女の婚約者は、尚久でしょう。他の男性と人目も憚らず抱き合うなんて、慎みがなさすぎます。…恥を知りなさい。」
「……はい。申し訳ありませんでした。」
撫子は、消え入りそうな声でそう言い、頭を下げる。
「…話は向こうで聞きます。ついていらっしゃい。」
耀子は撫子にそう言うと、静には最早一瞥もくれずに踵を返し歩き出す。
撫子は、相変わらず青白い顔で静に会釈すると、耀子の後に消えていった。
「………………。」
静は、詰めていた息を吐き出し、壁に背を預け、ズリズリとその場に座り込んだ。
はは、と力無く笑い、額を押さえるように目元を手で覆って、ポツリと呟く。
「……痛ぇ。」
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