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※第三者視点です。
そのまま儚く消えてしまいそうに、弱々しく啜り泣く少女を慰めるように、静は彼女の背をトントンと緩く叩く。
「…尚久に、何か言われた?」
「…………っ、…、」
問い掛けても、撫子は答えない。
苦しそうに哀しそうに、泣くばかり。
「…泣かないで。あんまり泣くと、熱でちゃうよ?」
困ったように髪を撫でながら静は、彼女の体を気遣う。
「…オレでよかったら、話聞くから。」
ね?と覗き込むと、撫子は漸く顔をあげる。
濡れた頬を拭ってやり、安心させるように静は、笑んだ。
「…ごめんなさい。取り乱してしまって。」
撫子は、大胆な行動をとってしまった自分を恥じ、頬を僅かに朱に染め、そっと体を離そうとした。
…けれど、その寸前に、
「…何をしているの。」
冷えきった厳しい声が、かけられる。
事態は、最悪なタイミングで、
泥沼へと、突入した。
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