Main カワ… 「…君は、その……」 「…………?」 日下部先輩は、らしくなく、何事かを言い淀んでいた。 「………変じゃない、……………………寧ろ、かわ…」 「そこまでにしとこうか。」 オレを見つめながら、暫く躊躇い、漸く日下部先輩が口を開こうとした言葉を、いつの間にか立ち直ったしずかちゃんが遮った。 「……………志藤、貴様…」 「オレも日下部も、この通り反省してるから。…許して?」 ね。としずかちゃんは半ば強引に話を打ち切った。 …この通りって…日下部先輩、反省してるってよりは、静かに怒ってる感じなんですけど。 噛み合ってねぇ…。 てか、カワ?ってなに。 カワって…革?川? オレが頭上にハテナマークを乱舞させている間に、二人は何やらコソコソした話し合いが済んだ模様。 ニッコリ笑顔のしずかちゃんの横で、日下部先輩は憮然とした顔だったが、それ以上は何も言おうとはしなかった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |