Main 4 「…………?」 襖を背に、張り付くみたいな格好のしずかちゃんを見ると、何故か彼は、さっきのオレみたいに顔を真っ赤にしている。 テンパるしずかちゃんを見て、何か逆にオレは冷静になってきた。 真っ赤な顔でも美形な彼の顔を、マジマジと見つめていると、視線に耐えきれなくなったように、しずかちゃんは、ふい、と顔を逸らす。 …何か可愛い生き物がいる。 男前なのに、照れる様が可愛いとかズルいよね。と、至極どうでもいい事に思いを馳せるオレ。 無言が数秒続き、やがてポツリと、小さな呟きが落ちた。 「…………………ゴメン、ね。」 「…!!」 真っ赤な顔で俯きながら、此方を窺うように、目線だけ寄越すしずかちゃんに、オレはズキューン!!と撃ち抜かれそうになる。 だって、ワンコがいる!! 毛並みの良い大型ワンコが、耳と尻尾をへたらせ、でもって『怒ってる?怒ってる?』みたいな顔でオレを見てるんだよ!? 怒ってなんかないさ寧ろドーンと来い!! ムツ○ロウさん並みに、ヨーシワシャワシャしてやんよ!! . [*前へ][次へ#] [戻る] |