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ブリザード警報発令
※第三者視点。


「………。」


カツカツと、黒板にチョークで式を書く無機質な音だけが、教室の中に響く。


その少し右上がりなクセのある数列をノートに書き写しながら、教室内の生徒らの心は一つになっていた。



((((コエー…!!!))))




只今の授業は、このクラスの担任である桐生鴇による数学だ。


一見ホストの様な容姿のこの担任教師は、見た目に反して面倒見が良く、また親しみやすい性格をしているのだが…


今日は、別だ。


ピリピリとした空気で周りを威圧し、目が合う者全てを凍りつかせんばかりの、氷点下の瞳で、無言のまま授業を進めている。


…さわらぬ神に祟り無し。


打ち合わせた訳じゃないが、それを心の中で唱えながら、皆一様に、必死にノートをとった。


誰も刺激するなよ…!!
オレ達に今、個性なんて求められていない!!

没個性!

空気のような存在感で、如何にして教室と一体化するかが求められている。

余計な事すんじゃねー、つか消しゴム一個落としても全力で沈めんぞコラ。


…教室内に、驚くべき強さの結束力が生まれた。


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あきゅろす。
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