Main 14* ※清水視点です。 「止め、ろ…ぐっ!?」 少年を制止しようとしたオレに、陽はもう一度膝蹴りを入れてきた。 眩む視界の中、青ざめた少年は、必死に携帯を握り締め、叫ぶ。 「…た、助けてっ…!助けて下さいっ!」 メールじゃなく通話だった不運に、オレは舌打ちした。 他の奴であってくれ。 頼む、オレの予感なんて、外れてくれ。 「…っ!?…あ」 少年が驚愕したように息をのむ。 「…何、こそこそしているんですか?」 「ぐっ…!!」 グリッと傷口を抉られ、オレは呻いた。 陽は、崩れ落ちたオレから手を離し、もう一度上から組んだ拳をたたき込む。 ガツンッ 「…っ!」 オレを床に沈めた陽は、少年に手をのばす。 「ひっ…」 少年から携帯を奪い取り、無表情で通話に出た。 「…誰?」 切れ、 オレらの事はいいから、 切るんだ、 ―――陰。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |