Main Side 清水 ※清水視点です。 ブルル… 「?…誰だ?」 寮の廊下を歩いていたオレは、ジーンズのポケットに突っ込んであった携帯の振動に、足を止めた。 携帯を取り出し、片手でフラップを上げる。 「………。」 あまり、携帯を使わないオレに、メールがくるのは、珍しい。 訝しげな顔になるのを自覚しつつ、新着メールをクリックする。 From : 斎藤 Subject: 献上品 ――――――――――――――― この前は、大変ご迷惑をおかけいたしました。 つきましては、お詫びの品を献上させていただきたく思う所存でして。 ご要望がありましたら、ご返信下さい。 ――――――END――――――― 「…ぶっ、」 何だこりゃ。 廊下で思わず吹いちまった。 お堅い文章を目指している筈なのに、そこはかとなく阿呆臭がする。 狙っているのか、マジなのか。 タイトルが『献上品』なだけで、もうすでに馬鹿っぽい。 …マジなんだろうか? 目の前にいない相手を思い浮べ、ガラにも無く本気で心配になった。 馬鹿な所が可愛い、なんて甘やかしている保護者かいるから、余計加速すんだよな。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |