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「ところで…しずかちゃん。」



オレが話を変えようとすると、しずかちゃんはビクッと体を揺らした。


恐る恐る上げられた顔は、眉間にシワを寄せた困り顔で…、オレは続けようとした言葉を飲み込まざるを得なくなった。


だって、しずかちゃんの目が、『聞かないで』って言ってる。


しずかちゃんは美形だし、何でも出来そうだし、さっきの様子を見ている限り、喧嘩もかなり強そうなのに。


何がそんなに怖いんだろう。


気にならないって言ったら嘘になるけど、それ以上其処に触れる事も出来ずに、オレはヘラリと笑った。



「………、しずかちゃんもサボリ?」


「え…?」


予想していなかったオレの言葉に、しずかちゃんはキョトンと目を丸くする。


次いで、表情を和ませ、緩く口角を上げた。


「……うん。昼寝でもしよーかなぁって。」


互いに誤魔化し、表面上だけ笑い合っているのは、滑稽かもしれない。
それでも、オレは、笑ってくれたしずかちゃんに安堵した。


あんな顔、させたくないから。


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