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彼女の秘密
(4)沢田家
「まぁ、アリスちゃん、可愛いわ〜こんな可愛い娘が欲しかったのよね!」


こちらは奈々さん。ツナのお母さんだそうだ。


「本当アリスは可愛いわ。ツナには勿体ない!次はこっちの服、着てちょうだい!」


そう言って、ビアンキさんは、私の頭を優しく撫で、フリルの付いた服を渡す。

「ちょっ、母さんにビアンキ!何勝手なこと言ってんだよ!」

ツナは、ビアンキさん達に囲まれていた私を引き寄せた。


「あらあら、ツッ君ったら照れちゃって」


「アリス、ツナに何かされたら、すぐ私に言うのよ。私はアリスの味方だからね」


『えっと…』


何か勘違いされているようだが、いいのだろうか…



―――――――
――――
――…

それは、数時間前にさかのぼる…



ツナの言葉に甘え、彼の家に居候することになった。


ツナに連れられ、彼の家に行き、奈々さんに、住まわせて欲しいとお願いすると、快く許してくれた。


そして、ビアンキさんに雨で濡れた服の代わりに、フリルの付いた可愛い服を貸してもらった。


『ありがとうございます』

親切な二人に嬉しくて、精一杯笑ってお礼を言った。
そんな私を見た菜々さん達は、固まってしまった。


『…?あの…』


「「か…可愛いわ!!」」

『ふぇ…?』


その後、ビアンキさんと菜々さんに、色々な可愛い服を着てほしいと言われ、現在に至る。

――――――
――――
――…


「はぁ…アリス、とりあえず、俺の部屋行こう」

『う、うん』


ツナに手を引かれ、付いていく。



「まぁ、ツッ君ったら積極的ね」


「ツナ、アリスを泣かせたら許さないわよ」




ーパタン…


「はぁ…アリス、大丈夫?」

『え?あ、うん』


階段を上がってすぐの部屋が、ツナの部屋のようだ。
部屋に入れてもらい、とりあえず座った。


「…それと…」

『ツナ?』

「………」

『?』


…どうしたんだろう


ツナは私を見たと思うと、顔を真っ赤にし、視線をそらす。


『ツナ?』

「……」

「照れてねーで、可愛いって素直に言ったらどうだ?ツナ」

「『…!!』」


いつの間にか、黒のスーツを着た小さな子供がいた。

『…(まったく気付かなかった…)』

「リボーン!!気配消して入ってくるなよ!」

「フッ、これくらい気付かねーなんて、まだまだダメツナだな。また明日からスパルタだな」

「んなー!?」


…どうやら、この子供はリボーンって言うらしい

…でもオーラとか、全然子供らしくないと言うか…ただの子供じゃないような…

『……』

「…お前、名前はなんてーんだ?」

『…!』

びっくりした…

いつの間に目の前まで来ていた彼に驚く。


『アリスって言います。初めまして、えと…リボーン君?』


「…アリスか、よろしくな」

『…よろしく、お願いします』

なんだろう…やっぱりただ者じゃない、この感じ。


「…アリス、お前…」

『…え?』

「……」

「リボーン?」

リボーン君にジッと見つめられる。
不思議と、彼に全てを見透かされているような感じがして、動けなかった。



「いや、何でもねー…ツナ。お前、…頑張れよ」

「?…リボーン?何が…って、もう居ないしー!?」

それだけ言うと、リボーン君は、いつの間にか居なくなっていた。


リボーン君って、一体何者なんだろう…



「アリス、あんま気にするなよ?リボーンは、えっと、…ちょっと…変わってるから…」

『ツナ…』

心配してくれたんだ…

優しいんだね


『ありがとう、ツナ!』

「う、うん…そ、それと…その服、凄く似合ってて、えと、…か、可愛いよ…」

『えっ…?』

「いや、あの…」


互いに顔を見て真っ赤になり、そらした。


『……(か、可愛いって言われた…!)』

「……(やば、照れてるとこも可愛いし…!)」






そんな二人を遠くから見つめる小さな人影。


「…まさか、ツナがパートナーに選ばれるとはな…アリスか…面白くなりそうだな(ニッ)」


そう言うと彼はボルサリーノを目深に被り不適な笑みを浮かべた

…続く!


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あきゅろす。
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