アリスインワンダーランド
12
「どうして、分かったの?」
「アリスのする事なら
何だって分かるよ」
キッチンへ歩いていく
チェシャ猫を追いかけながら、
まとわりついて反論する。
「嘘!何でもなんて、
そんな訳ない…っ」
「…はいはい。
おいしい林檎のコンポート、
食べたくないのかい?アリスは」
「っ…やだ!
チェシャの意地悪!」
「それなら林檎の皮をむいて」
「もう…、分かったわよ」
表面では明るくしているけど、
胸には不安が巣くっていた。
『アリスはこの世界に
いてはいけない―…』
どうしてだろう…
「っいた!」
痛みの震源、
手元を見ると、
林檎の皮をむく手を
包丁で切ったみたいだった。
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