アリスインワンダーランド
11
何なの…?
チェシャ猫は、
ゆっくり立ち上がった。
「声を出してもいいよ、
アリス」
いろいろ聞きたいことはあったけれど…
「体の調子は、
もう良いの…?」
チェシャ猫は珍しく、
くちびるの端をあげて
にっこり笑った。
「もう大丈夫だよ」
「兎はドアを壊したり、
窓ガラスを割ったりして、
家に入ってこないの…?」
「僕がいなければ、
窓を叩き割って入ってくるね」
アリスは再び、
兎に恐怖を感じた。
「さあアリス、
この匂いは…
料理に失敗したね?」
「う…、だって…」
「分かっているよ、
僕に林檎のコンポートを
作ろうとしてくれたんだね」
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