銀木犀 ページ:10 「楼犀ちゃん」 ソファに沈み込んで ぼーっとしていると 声をかけられた。 「銀紫さん」 銀紫さんは 銀木犀の操縦と カクテル作り担当。 どこか物憂げで きれいな顔の 男の人だ。 その銀紫さんは、 アールグレイのティークッキーを 持ってきてくれた。 「ありがとう…」 「今回は?」 「フェミニン系で、 花柄ワンピース」 「…ふえみに?」 銀紫さんは 少し首をかしげた。 「大人可愛い かんじの服。 …終わったら、 またおいしいカクテル 作ってくれる?」 「勿論」 シャッ、と試着室の カーテンが開くと、 銀紫さんはふらりと どこかへ行ってしまった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |