7.12.0:05

 ツルナとリークロードが職員室を訪ねるがそこはもぬけの殻だった。

「ちなみに、もぬけというのは蛻って字で、ぬけがらのことなんだよ。死体でもあります……」

「わかったから、ツルナルール、そんなにガタガタ震えるな」

説明口調で恐怖を押し隠そうとするツルナと違い、リークロードは至って平然と状況を見ていた。
そのとき、頭上のスピーカーが鳴る。

『緊急集会をします、動ける生徒教職員は、全員体育館に向かってください――繰り返します』

「どうやらみんな、体育館に向かってるらしいな」

「私たちのクラス、どうなっているのかな……メイルちゃんたち、元気かな」

みんなベランダから伝って体育館を目指しているか、それとも一部生徒が戦っているのか。
みんなは無事なのだろうかというのは気がかりだった。
バカにされるかと思ったが、リークロードは「俺たちは、自分の心配をした方が有意義だ」と真面目な顔で言った。

「メイルは強い。まあ大丈夫だろ、体育館に着いてから考えれば?」

「…………」

ぽかん、とするツルナ。

「なんだよ?」

「いや、なんでも、ないの……ふふ、うふふ、そうする」

何かがツボに入ったのか、笑いだしたので、彼は怪訝そうだった。

「ほら、先生いないし、置いてくぞ。次は自分で仕留めろよ、助けないから」

「あ、行きます、行きます、置いてかないで!」

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あきゅろす。
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