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廊下を歩いて居ると、男女二人ずつの四人の先生とすれ違った。
何か、それぞれが杖のような、武器だろうものを持っている。そして何やら、どこかに向かいながら話し合っていた。
「緊迫してる感じだな」
「どうしたんだろ、また、誰かになにかが?」
「それは有り得る。だが人数や武器からしても、メンバーに医者が居ないあたりにしてもまだ生きているだろう」
「誰かが襲われてる……?」
はっ、と口に手を当て青ざめるツルナに、リークロードは少しだけ困った顔になった。
この子は不安になりやすいのだろうが些か手がかかるな、などと思う。クラスの男子と一部女子には密かにファンが居るらしいのでそこが可愛いところなのかもしれないが……
鍛練、修行、戦い、しか知らない彼には未知との遭遇だ。
どうしたものか、と彼が唸る間に、彼女は柱に隠れ、先生たちの話にさりげなく聞き耳を立てていた。
「興味に関する行動は、早いな……」
彼もやれやれ、と後ろに続く。横では生徒たちが自分たちと同じく体育館を目ざしはじめている。彼とツルナは先生たちの向かう方へと廊下の横道に逸れていく。あまり長居は、まずそうだが。
――『思った』らしいですよ
――まあ、『思われた』んですか!?
――ただでさえ、救出に手間取ってるのに!
――あの、いーちゃんが言ってますからね
――シッ! イシンさんに聞こえます
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