ページ:2
サウザンド・ナイトで作った分身は、頑張れば数人、10人程度は増やせるのだが彼女の気力は今、2、3人くらいで途切れかけていた。
「やるじゃなぁい!」
デンシンが、きゃああん、と低い声をあげる。
「やんもう! アタシが女だったら好きになってたわよ!」
「はぁ? わけがわかんないわよ!黙ってて」
ラコは混乱のままつっこみを入れる。深く考えたくない。
「じゃあ、そのままよろしくね――」
デンシンがすっと目を閉じて、何か呟いたあと、優しく吹き付けるような風が舞った。
「メッセージ」
ぽつりと彼(?)の一言のあと、
結界内に、誰かが映される。
今度は普通に少年だった。
「はあい、イ・シ・ン!」
パジャマを着た、だるそうな、特に特徴もない少年。
ビデオチャットみたいに、
結界内にコミュニティが生まれる。
「はあー。なんだい……なんだい、デンシン、うるさいな」
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!