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 サウザンド・ナイトで作った分身は、頑張れば数人、10人程度は増やせるのだが彼女の気力は今、2、3人くらいで途切れかけていた。

「やるじゃなぁい!」

デンシンが、きゃああん、と低い声をあげる。

「やんもう! アタシが女だったら好きになってたわよ!」


「はぁ? わけがわかんないわよ!黙ってて」

ラコは混乱のままつっこみを入れる。深く考えたくない。


「じゃあ、そのままよろしくね――」

デンシンがすっと目を閉じて、何か呟いたあと、優しく吹き付けるような風が舞った。

「メッセージ」

ぽつりと彼(?)の一言のあと、
結界内に、誰かが映される。
今度は普通に少年だった。

「はあい、イ・シ・ン!」

パジャマを着た、だるそうな、特に特徴もない少年。
ビデオチャットみたいに、
結界内にコミュニティが生まれる。

「はあー。なんだい……なんだい、デンシン、うるさいな」

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