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「遅いぞザックス」
「アンタが昨日連れ回したからだろ」

ザックスは二日酔いでガンガンする頭を片手で押さえ、恨めしそうにアンジールを見上げた。
出勤に遅刻するわけにもいかず、やっとの思いでトレーニングルーム着くが、そこにはまだアンジールしかいなかった。

「あれ、知り合い来てないじゃん」
「昔から寝起きが悪くてな…メールを入れたからもうすぐ来るだろう」

まもなくスライドドアの開閉音がし、アンジールはトレーニングルームの入口に目をやり、眉根をよせてみせた。
それにつられてザックスもそちらを見る。
すると、2ndの服を着たソルジャーが入ってきた。

「あ…あれって」

ザックスは思わず目を見張る。
それは昨日見た、あの新人ソルジャーだったからだ。

「遅い!時間厳守だと言ってあるだろう」
「ちょっと寝不足で」
「何時間寝たんだ?」
「10時間」
「寝過ぎだ」

未だに寝ぼけ眼で目を擦っている様は、やはり幼い少年のよう。
寝癖も直してこなかったらしく、所々髪がはねていた。

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