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「じゃあほら、目ぇ瞑っとけ」
「ッ…ザックス…ぅ」
ザックスはナマエの両目を塞ぐように掌をかぶせる。そうすれば、ナマエは不安そうにザックスを呼ぶのだ。
安心させるように抱き締めてやれば、少し身体から力を抜いてくれる。
「一瞬だから、ナマエ」
「う、」
パチンッ
ぷすっと耳に聞こえた嫌な音、刺さった感覚、でも思ったより痛くない刺激。
「な、大丈夫だったろ」
「恐か、たぁ…ッ」
身体から完全に力が抜けて、ナマエはザックスの胸に寄りかかる。
クスクスと上から笑い声が聞こえて不服だったので、まだ目を覆っている掌を軽くつねった。
「寿命が50年縮んだ…」
「大袈裟だな、ピアッサーにビビるクラス1stって?」
「血管に針の欠片が入ったら心臓に流れていくんだからね!!」
「…もしかして、それが針苦手な理由?」
「心臓にたどり着いた針は、グサッと刺さって…ううぅ、想像したくない」
それが原因か、とザックスは後ろで納得。
小さい頃にでもそうやって大人に脅かされたんだろうか。医療の話に全く疎い自分にはよく分からないが、この内容を小さな子供が聞いたらかなりのトラウマだろう。
それを今でも覚えているとは、可愛いものだ。
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