ページ:9 シャン、 スラリと光る銀色の筋、その切っ先がザックスの首に向けられた。 「邪魔しないで」 「…止めろ、ナマエッ」 「ザックス、そこを退いて」 …退かないなら、容赦はしない ナマエはもう片方の剣を抜き放ち、構える。 ザックスは苦渋の決断を迫られる、だがしかし、退くわけにもいかない。 暫く彼が沈黙を保っていれば、ナマエは低く呟いた。 「どうせ君も、いつか私のようになる」 「!?」 ガキィン! 刹那、ナマエはザックスに向けて双剣を振り下ろす。 ザックスは瞬時にバスターソードを盾にその攻撃を受け止めた。 「私は復讐者になるの」 「復讐…!?」 「私達から沢山のものを奪い裏切った、この組織のね」 ナマエはギリリと刃に力を込めて、ザックスを圧す。しかし、力で負けることはないザックスはそれを弾き返した。 「そんなこと、誰に吹き込まれた!?」 「見えたんだよ、私にも真実が」 この組織の裏側が、真実が。 「ザックスだって、分かってるはずだよ」 「!!」 「神羅は、私達が夢見たような正義の組織じゃないってことを」 核心めいたナマエの発言に、ザックスは柄を握る拳に無意識に力を込めてしまう。 確かにそうだ、自分が今まで目の当たりにしたこの組織の一面は、どうやったって道徳的ではないものばかりだ。 ザックスは眉根を寄せるが、それを否定は出来なかった。 …だが、それにしても 「だけど、…お前はそれでいいのか!?」 「…。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |