手を差し伸べたのは 以前まで分からなかった 分かりたくなかった、私の根底にある“何か” それが、目を覚ましてしまったの --手を差し伸べたのは-- 「分からねぇ…ッ」 彼女が行方を眩ましたのは、早くても今日の未明らしい。 ならば、人目をかいくぐりながらミッドガル郊外まで抜けることはまず出来ない。 そうするとなると、おそらくナマエはまだこの都市のどこかにいる。 手当たり次第に探すしかない、結局はそんな答えにたどり着く。 だが、運は人一倍良いほうだと自負できるから、自分の直感に従うまでだ。 ザックスはミッドガルを縦横無尽に走り回ることとなった…。 タークスの行動力を嘗めてもらっては困る。 おそらく自分は誰よりも早く彼女を見つけることが出来るだろうと確信はあった。 それは観察力洞察力の優れた自分に出来る彼女の行動パターンや思考をおおまかに予測出来るところから来るもので。 そしてやはり、それは正解だった。 「見つけたぞ、と」 だがしかし、見つけたまでは良いものの 果たして自分に彼女を連れ戻す力があるかは疑問なところだ。 [次へ#] [戻る] |