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『教えてあげようか、君の悩みの答えを』
あの声は、今なら思い出せた。
「ラザード、統括…」
今回の襲撃事件を起こした、張本人。
ジェネシスコピー達を操っていたのも彼だったというなら、あの時のコピーの行動にも説明がつく。
おそらく彼は、私をこの組織から引き抜こうとしたのだろう
『君は、我々の同志となる』
あの復讐心に満ちた瞳が、彼を最後に見た日のものだった。
まるで予言するかのような彼の言葉が反芻される度、ナマエは背筋の氷る思いがした。
そして、
それと相反して思い起こされるのは
あの時の、コピーの見せた兄のような優しさ
そして、彼が自分に手渡した
「羽…」
ナマエはチラリと、部屋の隅に置かれたガラス張りの棚を見やる。
そこの中には以前拾った純白の羽と、コピーが手渡した漆黒の羽がしまわれていた。
あれは、何を意味するのだろうか
ナマエはグルグルと巡る思考を、目を瞑って丁寧に解きほぐす。
もしかしたら…兄さんは、まだいるのかもしれない
そんな答えが、突如として浮かび上がった。
それに何より、
その答えが正解ならば、全て辻褄も合うのだ。
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