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「…い、おい」


微かに響く呼び声に、意識が浮上する。

いつの間にか寝ていたようで、ナマエは記憶のあった時刻より眩しい光を感じて瞼を薄く開いた。


「ッ…まぶ、し…」

「お前さ、なんつう場所で寝てんだ」


そうして視界に入ってきたのは目の眩むような太陽、

そして、空色の瞳。


「…。」

「…。」

「…おはようございます?」

「いや、もう昼だし」


ベチッと額を叩かれて、思わずナマエは顔をしかめる。どうやらまだ覚醒しきっていないようで、背中に砂をつけたままにのそりと状態を起こした。
濡れた身体は既に乾いてしまい、塩のせいでべたついていた。それを煩わしそうにナマエが触っていれば、隣では笑い声が漏れた。


「気持ち悪ぃなら洗ってくればいいじゃねぇか」

「ん…」

「まだ眠いとか?」

「んー…」


どっちつかずの返答、やはり寝たりないのか泳いだ疲れなのか、
ナマエは舟を漕いだあと、こてんと身体ごと隣へ倒れてしまった。


「え、ちょっ…ナマエ?」


倒れた先には、ナマエを起こした張本人…ザックスが居た。
ナマエの頭はちょうど彼の肩と首の間に収まり、また寝息をたてている。




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