ページ:2 「…い、おい」 微かに響く呼び声に、意識が浮上する。 いつの間にか寝ていたようで、ナマエは記憶のあった時刻より眩しい光を感じて瞼を薄く開いた。 「ッ…まぶ、し…」 「お前さ、なんつう場所で寝てんだ」 そうして視界に入ってきたのは目の眩むような太陽、 そして、空色の瞳。 「…。」 「…。」 「…おはようございます?」 「いや、もう昼だし」 ベチッと額を叩かれて、思わずナマエは顔をしかめる。どうやらまだ覚醒しきっていないようで、背中に砂をつけたままにのそりと状態を起こした。 濡れた身体は既に乾いてしまい、塩のせいでべたついていた。それを煩わしそうにナマエが触っていれば、隣では笑い声が漏れた。 「気持ち悪ぃなら洗ってくればいいじゃねぇか」 「ん…」 「まだ眠いとか?」 「んー…」 どっちつかずの返答、やはり寝たりないのか泳いだ疲れなのか、 ナマエは舟を漕いだあと、こてんと身体ごと隣へ倒れてしまった。 「え、ちょっ…ナマエ?」 倒れた先には、ナマエを起こした張本人…ザックスが居た。 ナマエの頭はちょうど彼の肩と首の間に収まり、また寝息をたてている。 [*前へ][次へ#] [戻る] |