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『俺には、十近く離れた妹がいてな』
いつの日だったか、
LOVELESSを片手に夕陽を眺めながら、あの友人は自分に話した。
『いつも、俺やアンジールの後ろをついてきた』
小さな体で精一杯、年の離れた兄達の背を追いかけて、追いかけて続けて
『俺達がソルジャーになるために村を出ようとした時だって、ついてこようとしたくらいだ』
そう語る友人の表情は、いつになく柔らかかった。
『その時、約束した…お前が大きくなったらソルジャーになって、また俺達と居ればいいと』
だから俺は決意したんだ、とその瞳は夕陽を見つめる。
『危険な場所でさえナマエが傍に居たとしても、守れるくらい強くなっておこうと』
彼の紅に、夕陽の朱は溶かされたように照らす。
兄弟というものを知らない自分は、
彼にその大切さを伝えられた
その“大切な存在”が、この少女か。
セフィロスは不満げに頬をむくらせているナマエを見て、小さく笑った。
「俺に妹がいたら、こんな感じなんだろうかな」
「え?」
セフィロスの思わぬ発言に、ナマエはポカンと口をひらく。
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