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激しいヘリの騒音も、ここ数ヶ月聞き続けていれば馴れてしまうものだった。


「移動だけで2週間ってどうよ?」

「往復で1ヶ月、それがどうかしたか」


不満げにタークスの副主任を見上げてやれば、冷ややかな表情で返される。
それがどうかしたかじゃねぇよ、とザックスは溜め息をついた。


「いくらクラス1stが少ないからって扱いが酷ぇんだよ。過労死すんぞ」

「ソルジャーに限ってそれはないだろう」

「微妙にその言葉の使い方なんか違くね?」


ソルジャーだって人間だ。
人権をかえりみたらどうなんだ、労働組合と一緒に訴えてやろうか、等と文句を垂れるザックス。
しかしツォンはいたって表情を崩さなかった。


「何にせよ報酬もそれなりだろう。終わってから愚痴愚痴言うな」

「言わなきゃ気が済まねぇっての」


正直な所、最近のザックスは機嫌がすこぶる悪い。
今回同行したメンバー達は、ザックスの普段あまり見せないような表情や態度に困惑させられたこともしばしば。
ザックスと共にモデオヘイムに調査に行ったツォンでさえ、ザックスの気持ちを抑え込むことは出来なかった。

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あきゅろす。
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