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「紅茶も甘くしないと飲めないのか?」

「珈琲ほどじゃないけど…なんだって甘いほうが美味しいじゃない」


氷が溶け出して結露しはじめたグラスの表面を、我慢出来なくなった水滴がツウと線をひくように流れ落ちる。
それを見届けた後に、ナマエはアイスティーを口元に運んだ。


「ガキっぽいのは変わらないぞ、と」

「煩いな-…」


レノはナマエの向かい側に座って頬杖をつく。

最近はどこでもかしこでも、自分達はこんな図になるのだな…と思いながら、水面に浮かぶ氷を口に含むナマエ。
そう、いつもレノはナマエの向かい側で頬杖をつく。
そして、いつもは不敵な笑みばかり浮かべているその表情が、この時だけは柔らかくなる。
始めはそれが何とも気恥ずかしくて声を荒げたこともあったが、今ではそんなこともない。

先日この様子を見かけたシスネが、レノってこんな顔出来るのね-と感心していたことを思い出す。

別にこの状態が嫌なわけではなかったので、ナマエは最近は煩わしがるのを止めていた。
邪険にする態度は、一種の照れ隠しのようなものだったためでもあったからだ。



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