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神羅に長く籍を置くことで、様々な事を知りすぎた自分達。
この会社ならやりかねない…否、やるだろう。
「だがその線は薄いだろう、お前の言うこれらの件に関してはな」
セフィロスはカップが空になったのを確認して、静かにトレイに戻す。
そして新しい珈琲をつぎ足した。
そう、これは事実なのだろう
何せこれを自分達に知らせたのは
その事実を目の前に見せつけられた、紛れもないあの青年なのだから。
薄く脳裏にちらつくあの笑顔に、疼くような痛みが走る。
しかし、どんな話でも彼に繋げてしまう自分に嫌気がさして、ナマエは思念を振り払うように顔を振る。
「ねぇセフィロス」
ナマエは頼りなげに名を呼ぶ。
その響きが何を示しているか、セフィロスは察した。
「兄さんとアンジールに…罪はなかったよね?」
ポフッと、書類の山に顔をうずめる。
「…あぁ、」
セフィロスは立ち上がり、その肩にソッと手を乗せた。
ナマエは目を細めて、自分の手を重ねる。
もう冷めてしまったであろうデスクに置かれたマグカップは、もう湯気をたててはいなかった。
“貴方まで何処かへ行くことは、ないよね?”
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