ページ:7 神羅に長く籍を置くことで、様々な事を知りすぎた自分達。 この会社ならやりかねない…否、やるだろう。 「だがその線は薄いだろう、お前の言うこれらの件に関してはな」 セフィロスはカップが空になったのを確認して、静かにトレイに戻す。 そして新しい珈琲をつぎ足した。 そう、これは事実なのだろう 何せこれを自分達に知らせたのは その事実を目の前に見せつけられた、紛れもないあの青年なのだから。 薄く脳裏にちらつくあの笑顔に、疼くような痛みが走る。 しかし、どんな話でも彼に繋げてしまう自分に嫌気がさして、ナマエは思念を振り払うように顔を振る。 「ねぇセフィロス」 ナマエは頼りなげに名を呼ぶ。 その響きが何を示しているか、セフィロスは察した。 「兄さんとアンジールに…罪はなかったよね?」 ポフッと、書類の山に顔をうずめる。 「…あぁ、」 セフィロスは立ち上がり、その肩にソッと手を乗せた。 ナマエは目を細めて、自分の手を重ねる。 もう冷めてしまったであろうデスクに置かれたマグカップは、もう湯気をたててはいなかった。 “貴方まで何処かへ行くことは、ないよね?” [*前へ] [戻る] |