荒む心より落つる誰彼 そういえば、昨日の無断欠勤 どうしてお咎めナシだったのか ヘリの轟音の中、ふとそんなことを思う。今日のラザード統括は何も言わなかった。 どうしてだろう… 任務が終わってからでも、聞いてみるか ザックスは遠のく地面を眺めながら、溜め息をつく。 昨日の、あのか細い泣き声が 頭から離れなくて --荒む心より落つる誰彼-- 瞼が重い、頭が痛い。うまく働こうとしない脳を重く感じながら、ベッドから起き上がる。 引きつるような感覚のある頬に手をあてれば、涙の乾いた筋を撫でた。あれからひとしきり泣いてから、ナマエは泣き疲れて眠ってしまったのだった。 ナマエはそのまま洗面所に向かい、自分のひどい顔に更に顔をしかめることとなる。 「うーわ…」 泣きすぎて顔はむくれ、瞼は腫れぼったくなり頬も赤く膨れている。この顔で出勤は流石にまずいだろう…と、ナマエは冷水で何度も顔を洗った。 ついでに、冷たい水で絞ったタオルを作る。 [次へ#] [戻る] |