*
「何やってんだ、俺」
「本当ですよね」
独り言のはずなのに、それに答える声がした。
ザックスは驚いて、声のしたほうを振り向く。
「え、お前」
「30秒って言ったじゃん…何で秒と分を間違えるかな」
そこには、壁に寄りかかるようにして腕組みし、頭をうつ向けて欠伸を噛み殺すナマエがいた。
ナマエは軽く壁を後ろに蹴って、壁に寄りかかるのをやめる。
「何で先に行ってないんだよ、しかもお前だけ」
「私がザックスを置いてったら、それこそ職務放棄でザックスがペナルティくらうでしょ」
「でも俺等どっちかがいなきゃ訓練成り立たねぇだろ。奴等だけで何かあったら」
「問題起こさない程度に、好きなことして待ってていいよって言っといたから大丈夫」
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