[携帯モード] [URL送信]
*




「ちょっと財布の中身が寂しくって…節約してたんだよ」
「馬鹿じゃないの、命のお金どっちを…!」
「ちょ、落ち着けナマエ…ぐぇ」

しまいにはザックスの首に手をかけるナマエ。
流石にザックスも身の危険を感じギブアップを表明する。
しかし、

フワリ

「…ナマエ?」

首を掴んでいた両手はほどかれて、代わりに両腕を回されてギュッと抱き締められた。
ナマエは目をつぶって、ザックスと自分に言い聞かせるように呟いた。

「本当に死んだら、どうすんの…ッ」

ナマエの声は微かに震えていた。
ズキンと、ザックスの胸に響くものがあった。

「絶対、もう二度と…こんなことしないで」
「そう、だよな…」
「…。」

ナマエは腕をほどき、ザックスと視線を合わせるように顔をあげる。

「一度きりなんだからね」

「おう」

二人はどちらともなく微笑み、立ち上がる。



もとの世界に戻ると、皆はいなくなっていた…





[*前へ]

12/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!