* 「ほう…君は、その妹か」 すると宝条は少し興味を持ったらしく、ナマエを観察し始めた。 「しかし奴には血縁が出来る筈はないのだがな」 「何でアンタにそんなことが分かる…!」 「大抵は実験対象になる胎児は、研究員やその関係者から提供されたものだ…おそらく奴も、どこぞの研究員から提供されたものだろうよ」 「え…?」 「そして失敗とされた実験に使用された人体サンプルは、研究とは縁のない場所での監視下で生活をすることになる」 つまり、 プロジェクトGが失敗に終わった段階で、 ジェネシスは養子と言う名目の監視下で、ナマエの両親に預けられたのだということ。 「…じゃあ、兄さんは…」 「君とは血は繋がっていない」 頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。 今までの人生が、否定されたような気分になったからだ。 兄さんは 私の兄さんじゃ、ない? [*前へ][次へ#] [戻る] |