* 「とにかく、一緒に避難してくれないか」 「クックック…劣化するモンスターなど、恐れることはない」 「…!」 宝条はレポートに目を戻しつつ、口を押さえて笑った。 ナマエは宝条の言葉に目を見開く。 ザックスは微かに軽蔑をこめて、目を細め宝条を見た。 「…それ、ジェネシスのことを言ってるのか」 「そのとおり」 嫌みたらしく宝条は笑みを浮かべて、ザックスとナマエに向き直る。 すると、とうとうナマエが怒りを露にした。 「呼ぶな」 「んん?何のことかな」 「兄さんのことを劣化するモンスターだなんて呼ぶな!」 ナマエは鋭く宝条を睨み付ける。 兄さんは、モンスターなんかじゃない! ナマエはギリッと歯を食い縛り、拳を握りしめる。 「元はと言えば、アンタ達科学者が…ッ」 「ナマエ!落ち着け!」 ナマエがグッと乗り出そうとするのを、ザックスは押し止める。 離して!とナマエはザックスの腕の中で暴れた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |