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八番街に着くと、人々が混乱して逃げ惑っていた。どうやらモンスターが暴れているらしい。
「こりゃ大変だぜ」
「あ、モンスターあっち」
ナマエは噴水広場を指差した。
よっしゃ!とザックスはガッツポーズをする。
「さっさと行こうぜ!」
「え、あ、ちょっと待っ…」
忙しなく喜び勇んで走っていくザックスに、ナマエはまたもや溜め息。
「…アンジールの言ってた通りだもんなぁ」
アイツはそうだな…例えるなら、まるで落ち着きのない子犬だ
先日のアンジールの言っていた事をしみじみと実感する最近である。
ナマエは苦笑してザックスのあとを追った。
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「何だコイツ、ヤケにでっけえな」
「野生に戻って巨大化したウルフ系ぽいけどね」
「ふぅん、よく分かんねぇぽいけどね…ぐえ!」
「真似しないでよ」
「はいはい」
「…野生に戻れても、モンスターは結局こうやって殺されるんだね」
「まぁな…って、コレはシュミレーションだって」
これは訓練
しかもシュミレーションだから、この設定の世界は実在しない。
モンスターの死体のそばにしゃがみ込んでのぞき込んでいるナマエ。
その表情はあまり浮かなそうに見えた。
その姿からして、まだ命を奪うことへの抵抗があるようだった。
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