[携帯モード] [URL送信]

伍萬打&2周年
子供の心の中の主張((芥川




自分の主張を通すより

他人に合わせる事の方が利口だと思っていた


自分の感情は優先順位からランク外だと




【子供の心の中の主張】






幼い頃から私は頭が回る子だった訳ではなかったけど

幼稚舎から周りの子の観察をするのが好きでいろんな子を見ていた


その中で自分のやりたい事をやりたいだけやっている子の周りにはちゃんとした友達がいない事がわかり

独りぼっちになんてなりたくなかった私には
方法は一つしかなかった

皆に合わせる



最初の方こそ 我慢が出来なくなりそうな時があったけど

それにも慣れてきて私の周りには友達が出来た




すべてが上手くいくと思っていた



のに

ある日友達に疑問を投げかけられた


「名前ってさ 自分の意見言った事ないよね?」

「…え、そんな事…ないよ」

「じゃあ 今度の休日何処行くか決めてよ」

「いや…私 一人で決める訳にはいかない…よ」

「それって ただ名前の自分の意見がないだけでしょ?…ロボットと一緒じゃない 自分の意思がないんだから!気持ち悪いっ」




私の周りには人がいなくなった





「…ど〜したの〜?」

「!?」


一人で校舎裏にいると金髪のくるくるの髪の男子が私の顔を覗き込んでいて

私は目を逸らして早くここから退いてくれる事を祈った


「ねえ!」


懲りずにその男子は私の顔を覗き込んでくる


「名字、さんだよね〜?…いつも一緒にいる友達はどうしたの〜?」

「!…なんでっ知って」


思わず視線を合わせてしまい
よくよく見るとこの男子は幼稚舎から一緒の芥川くんである事を思い出した

彼はテニス部のレギュラーで人気がある
彼の事を知らない人はいなくても
彼が私の事を知っているなんてびっくりした


「…芥川くんには関係ない、よ」

「なんで〜?」

「私の事知らないくせに…」


人気者の彼にはわかる訳がない
自分の好き勝手な行動をしても周りに友達がいる芥川くんに…


「…辛いよね」

「…え」

「寂しいよね、友達がいないなんて耐えられないよね…一人になりたくないから 皆に合わせて我慢してきたんだもんね」

「!」

「知ってるよ 名字…名前ちゃんの両親は仕事が忙しくて家で一人ぼっちだって事」

「…違う」

「学校も一人ぼっちになるなんて嫌だから皆の顔色を伺って合わせてた事」

「違う」

「ずっと我慢してたんだよね?辛かったよね?…でも名前ちゃん それは本当の友達じゃないよ」

「違う!…ち…が、う…」



私の目からはいつの間にか涙が出ていた

わかってた
いくら否定したって 芥川くんが言う事は全部本当だと



「名前ちゃんは我慢する癖がついちゃったんだよね…」


芥川くんはそっと近づいてきて抱き締めてくれた





((俺の前では我慢しないで…一人で抱え込まないで)

..★
『辛いとき慰めてくれて本音を一番わかってくれる』


100326


[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!