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シスター&ブラザー!
その姉、弟の性癖を誤解す。


「次郎〜」

「はりつくな!うっとうしい!」

「お姉ちゃんのこと、嫌い?」

「う、うるさい!!」

こんなときに思うのもおかしいが、俺の姉貴は、容姿だけはかなり可愛い。

否、可愛いすぎる。

しかも俺に似てるから、なんだか姉貴が鬼道さんに嫌がらせをするのを見るといたたまれなくなる。




シスター&ブラザー!




なんだかんだいって、俺は姉貴が好きだと思う。
小さい頃は目のことが原因で虐められていた俺を助けてくれたし、いつも俺を守ってくれた。

俺にそっくりな顔で笑っているはずなのに、すごく輝いて見えて。


「次郎、練習お疲れ様!
はい、タオル!」

「…あぁ」

「もう汗の匂いも可愛いんだから!ほら、お姉ちゃんが拭いてあげるわよ〜おいで」

「や、やめろ!触るなっ!」

汗の匂いが可愛いってなんだよ?と、まぁ訳のわからないことを言われて、ベタベタ触られるのも、そこまで嫌ではない…


「はい、鬼道!あんたにも、タオルよ」

「反抗する気力もないくらい疲れている俺に…なぜこんなにヌメヌメしたタオルを渡すんだ?」

「疲れているあんたの為に、私が特別にヌメヌメしといたわ」

「おい、こらクソ姉貴!!鬼道さんになんてことしやがるんだ!」





でも、俺は、姉貴以上に鬼道さんが好きなのだ。(断じて性的な意味じゃないぞ)



「鬼道さん…すいません。俺の使ってください!」

「佐久間…大丈夫だ、自分のを使う」

「じゃあ俺がヌメヌメタオルを使いますから!」

「え…おい、やめるんだ!佐久間!」

「鬼道さんの為ぇええ!」


ぐちゃり、とついた顔にヌメヌメはなんと接着剤で、思いきり顔に張り付いてしまった。


「んむ…?むぉおおっ!!」

「佐久間!」

「次郎っ!!」


姉貴と鬼道さんの声が聞こえ、タオルがグイグイと引っ張られていく。
「あんたのせいよ!」「原因はお前だろ!なんだこの接着剤は!」「私の特製鬼道抹殺接着剤よ!」やらなにやら、最中に二人の喧嘩が始まり、俺はひたすら顔を引っ張られ続け、グルグルと引きずられていた。




「大丈夫か、佐久間」


「………問題ありません」

「そうか、ならよかった。痕も残らなかったしな」

やっとタオルが離れると、鬼道さんが引っ張られていた勢いでその場に倒れた俺を抱き起こして、頭をポンポンと撫でてくれた。
あぁ、なんて優しいんだ、鬼道さん!
かっこよくて、いつだって俺たちのことを思ってくれていて、サッカーだって上手くて…俺が女なら確実に惚れているだろう。


……ん?

俺が、女…、なら?



「次郎!顔洗うのに水持ってきたわ。大丈夫?大丈夫?痕は残ってない?平気?」

「姉貴……」


「大丈夫のようだ、軽く冷やしてやれ。
無理矢理引っ張ったから赤くなってる」

「わかったわ、ありがとう」


俺が…女なら………姉貴!?



「姉貴!!」

「な、なに?痛かった?!」

「絶対に鬼道さんは渡さないからな!!」

「次郎?え、ちょ…なにそれ!!」


俺に似て可愛い姉貴が、鬼道さんを好きになったりしたら、大変だ。

俺の鬼道さんが…俺そっくりの姉貴と?いや、ある意味いい…わけあるか!!


絶対ダメだ。ダメ!!




その姉、弟の性癖を誤解す。
(源田くん、どうしましょう…次郎、ホモになっちゃったのかもしれない…!終わりだわ)
(そ、そうなのか…)
(私、次郎が攻めだなんて考えられない!)
(そっちの心配?)









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あきゅろす。
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