シスター&ブラザー!
その姉、雪原の王子にうっとりす。
「超超超……寒いんだけど!!」
「そりゃ、北海道ッスから」
「いやー!私帰るー!」
シスター&ブラザー!
【マネージャー日誌】
今日は合宿一日目、予定通り地元の中学校と練習試合。
相手は『白恋中学』
あまり聞いた事のないチームだけど、地元では1番強いらしい。
……寒い。
とりあえず、次のページから試合内容まとめる。……寒い。
私はぱたん、と日誌を閉じて、リュックを下げた次郎に飛び付く。
「あー次郎〜寒いよぉ。あっためて?」
「知るか!!凍り付け!」
「照れ隠しね?あぁ、ツンデレ?ツンデレでしょう?ふふふ…可愛いんだから!そんな次郎がお姉ちゃんは大好きよ!」
「いい加減にしてくれ」
「おーい、佐久間姉弟!
隣のグラウンドだってよ、行こうぜ」
「「うっせぇハゲ!!」」
「ハゲじゃねーよ!」
辺見のデコにおもいっきり雪玉をぶつけ、先に進むと見慣れたドレッド頭が邪気を発している。
「……美咲」
「どうしたのって……ぷっ」
「鬼道さんのゴーグルに、雪玉が…っ!刺さって…!!」
「親切に、笑いながら解説をありがとう。辺見。そして死ね、デコハゲ」
「なんで俺?!」
キレた鬼道の一撃をうけ、またまたハゲは吹っ飛ばされ、今度こそ意識をなくしたらしい。ご愁傷様。
「…たく、ふざけるのも大概にしろ。
佐久間、俺の腕に擦り寄るな」
「だって、鬼道さん寒そうだし。風邪引いたら大変じゃないですか!俺が守ります」
「別に平気だ。そして美咲、お前は佐久間に抱き着くな。重いのは俺だ」
「うるさいわね、我慢なさい」
はぁ、とため息をついた鬼道は私たちを引きずりながらグランドへと案内してくれた。
白銀に囲まれたグランド。
その中央に、相手のチームが並んでる。
「はじめまして。帝国学園のみなさん」
「うわぁ…ホンモノだっぺ」
「みんな いけめんだなぁ…都会もんは違うべー」
なんとも、可愛い子ちゃんパラダイス。
どうしよう、持って帰りたい!可愛い!
「あ、あの…マネージャーさんかな?
僕は、吹雪士郎。今日はよろしく」
「……っ!」
ふわふわしたマフラー!太眉!そしてのほほんとした顔!!
きゅるるんとした瞳……!
「…鬼道、この子持って帰りたい…」
「駄目だ」
その姉、雪原の王子様に会う。
(どうしよう。士郎君も弟にしたい…!)
(ありがとう。美咲さん。でも僕はお兄ちゃんのがいいな)
(士郎お兄様ぁあっ!)
、
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