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噂はなし(佐藤)
「こっ、の!」

三股掛けてるという噂が流れたのはいつだっただろう、私達四人は友情なのに、みんなが思っているような関係なんかじゃなくて、秋くんと知り合ってからは今まで以上に平介の家に入り浸っているが、それだって平介にというよりも平介のお母さんや秋くんと会うためなのに。

「‥最近、元気ないね」

初めに気付いたのは勿論、平介なく意外にも鈴木くんでもなく、佐藤くん。三人といるよりも、以前のように女友達に菓子を振る舞って感想を聞いて、余ったら恨めしそうな表情をしている平介にあげて‥鈴木くんとは平介がいないと話もしないし佐藤くんだってそんな感じで、突然こんな態度とって申し訳ないように思えたけれど、だって友達から聞いてビビっちゃったんだよ。オンナの嫉妬はねっとりと纏いカブリと噛み付く蛇のようなんだから気を付けなさいねと言ってくれて、ほとぼりが冷めるまで仕方ないかなとか思っているんだ。

「そ、う、みえる?」

「小耳に挟んだ噂が本当なら、まあ分かるけど」

「‥あはは、そうね、噂が冷めるまで以前通りになるよ」

「以前?」

「わたしはわたしで「だいじょうぶだよ」え?」

「だいじょうぶだよ、噂なんて気にしてたらキリないし」

嫌がらせとかされたらさ守るから、と佐藤くんは優しく言ってくれた。吃驚して目を真ん丸にしていると大きな手が頭を撫でてくれた。

「‥め、めいわく、かけちゃ、」

「かけないかけない」

「っ‥うざっ「たく、思わないからだいじょうぶだよ」」

じわじわと私の不安を溶かしてくれた。

「いやね、三人して心配がっていたんだけどさ、ほら二人ともこういうの、きっとわかんないでしょ、だから、ほら俺さきょーけんだったし」

「佐藤くんはきょーけんじゃないっ」

「あはは!これこれ!この反応が好きだから、ね?俺らの前からいなくならないでよ」



親友以上恋人未満な四人


いつの間にか噂なんて聞こえなくなった。このままでいいよと彼らが言ってくれたから。


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