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輝く君の行方は…(2)

ガチャ

「ただいま〜」

「…じゃまするぞ」

次の日。お昼前にミヅキがデンジを連れて事務所に帰ってきた。

「お帰りー」

一番に声をかけたのはちょこんと椅子に座ってモンブランを食べるリカだった。

バタン

ミヅキが入り口の戸を閉め、リカの正面に座った。

「ほら、隣に座れよ」

「ああ」

デンジもミヅキの隣の椅子に座った。リカがデンジに笑顔で話かける。

「ニート超久しぶりだねぇ」

「…今なんつった?」

「ん?『ナギサのスター☆』だよ?」

「………………」

デンジは言いたい事は多々あったが、必死で耐えた。

「他のみんなは?」

ミヅキが周りを見渡す。

「今日は出かけてる。いないよ」

リカが空になったケーキのカップを、少し離れたゴミ箱に投げ入れる。

「さっちゃんとゆーなちゃんがヤマブキに行って、まきちゃんとゆぅちゃんはナナシマ」

「ナナシマか…。ロケット団の倉庫か?」

ミヅキがリカに言う。

「当たり。関係あるかどうかはわかんないけど、一応…ね」

「なるほどね」

「で、何でわざわざ俺を呼んだんだ?」

デンジがリカを見ながら言う。

「ん?そりゃあ先ずは戦力のためだよ。組織と戦う事になるかもしれないから。"腐っても鯛"、デンジはシンオウのジムリーダー内最強だし」

少々皮肉が入った気がする。リカは笑って続けた。

「それにヒカリが絡むとデンジはやる気になるって、みーに聞いたから」

「てめぇ!!」

バチンッ

「痛ってぇな!!事実だろ!?」

デンジがミヅキの頭を思いっきりひっぱたいた。

「まあまあ、二人とも落ち着きなよ。噂についてなんだけど、面白い事がわかったんだよね」

リカがノートパソコンを開き、画面をミヅキとデンジに見せた。ミヅキがナギサに向かう前に、ミヅキに少し調べてもらった情報が映っている。

「みーに調べて貰った最近カントーで行方不明の子たち、確かにみんな『白い帽子』をかぶってた。でも、他にも共通点があったんだ!」

画面に映っている写真をじっと見る二人。

一人目も二人目も…、十人目も…

「なんか、女子ばっかじゃね?」

ミヅキがそう言うと、デンジも続けた。

「しかも…髪の長いやつばっかだな」

約1ヶ月のうちの行方不明者の中の殆どが女の子だった。

「でしょ?噂だと『白い帽子をかぶってると神隠しにあう』ってなってるけど、実際は『白い帽子をかぶってる髪の長い女の子』が行方不明になってるみたいなんだよね〜」

リカはパタンノートパソコンを閉じた。

「この人数が行方不明になってると、偶然じゃなくて誰かの意志が働いてるのは確実。誘拐のセンはか・な・り濃いよ」

「そしてこの人数…。だからリーダーは組織の誘拐だって言ってたのか…」

ミヅキは感心しながら、リカに差し出されたノートパソコンを受け取った。

「犯人はなぜヒカリを攫ったんだって思ってたが…、理由は『白い帽子をかぶってて髪が長かったから』なんだな。ふざけんな…」

デンジは眉間にしわ寄せた。

「だから次は犯人は何が目的で人攫いをしてるのか?になるね。でも、考えようにもデータが足りない。ここからは捜査になっちゃう」

リカは、ミヅキがデンジに見せたのと同じ書類を帽子から取り出した。

「直接乗りこんで調査するしかないんだよねぇ。結構キケンなんだ」

リカは笑顔でデンジに言う。

「もちろん…協力してくれるよね?」

「…ヒカリの為だからな」

デンジは不敵な笑みでリカに返事をした。


つづく


「ロリコン…」

「なんか言ったかクソミヅキ?」

「べっつに〜?」

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