本棚
両片思い(ミツ→←ハル)
シダケタウン。
自分以外の誰もいない家の中。
「好きです」
天井に向けて放った言葉は、誰かに届くわけでもなく、消えた。
「好きです。…好きです。…好きです」
何度も口に出して言ってみる。結果は変わるはずなど無いが。
「…あなたが好きです…。…あ〜あ、練習ばかりしたって意味ないのに…」
そう言って自嘲ぎみへらっと笑うと、ミツルはため息をついた。
…告白する練習をしていたのだ。
親は隣町のキンセツシティに買い物。いとこのミチル姉さんとその夫はカナシダトンネルを利用してカナズミシティに行っている。練習するには絶好の機会なのだ。
「はぁ…。何で僕はユウキさんみたいになれないんだろう?」
ユウキさんは、好きな人に告白して、アタックして…。
それに比べて僕は、勇気が無くてどっちも出来ない…。
ミツルはちょっとした自信喪失だ。
ミシロタウン。
『あなたが好きです。ずっと前から思ってました。』
ピンク色の便箋…はながらメールに丁寧に書かれた文字。
「はぁ…」
ハルカはそれを持って上向きにベッドに倒れた。スプリングでぼすんっと跳ねた。
はながらメールを上に上げ、それを見上げてため息をつく。
「はぁ、今日も渡せなかった…。ううん、違う。"渡さなかった"んだ」
だって、今日は何の予定も無かった。ポケナビの番号だって交換してある。その気になれば会えたもん。
自分の勇気の無さに…
「ちょっとヘコむかも…」
ユウキ「もういっそ二人にお互いの気持ちバラしてやりたくなるけど……。それは…ねぇ、ジュペッタ?」
ジュペッタ「……ふぅ」←首を左右に振りながらため息
ユウキ「だよね〜。できないよねぇ」
--------------------
ミツハル可愛いけど、なんかマイナーな気がします。
ミツハル広まってほしいです!
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!