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第10ターン「WDC予選 初日終了」

あらすじ
・オベリスクを殴り殺せる攻撃力
・恵美奈、ハートピースゲット!!


☆第10ターン
WDC予選
初日終了



えみたんのデュエルが終わってから数時間後、
私は町中で本日2度目のデュエルをしていた。


MARIA
LP:900
手札:0枚
モンスター:セイクリッド・プレアデス(ATK/2400)
魔法罠:セット1


HAISU
LP:1800
手札:0枚
モンスター:なし
魔法罠:セット1


「私はプレアデス1体でオーバーレイネットワークを再構築!エクシーズ・チェンジ!!」

オーバーレイユニットの無くなったプレアデスが、光の渦に吸い込まれていく。

「星団を引き連れ現れよ、ランク6『セイクリッド・トレミスM7(メシエセブン)』!!」

セイクリッド・トレミスM7
光 ★★★★★★
機械族
ATK/2700

「バトル!トレミスでダイレクトアタック!!」

私が攻撃宣言をする。
すると、相手はにやりと笑った。

「かかりましたね!罠発動!!『聖なるバリア−ミラーフォース−』!!攻撃してきたトレミスを破壊する!!」

相手のフィールドに白っぽいバリアが張られ、トレミスの攻撃を跳ね返そうとする。

そうはさせない!

「私はカウンター罠を発動!!『神の宣告』!!ライフポイントを半分払って、ミラーフォースを無効にする!」

「何!?」

驚きで相手の目が大きく開かれた。

恐らく今までのデュエルの流れから、私が伏せていたのは『攻撃の無力化』や『ガード・ブロック』のような攻撃反応系の罠だとでも思っていたのだろう。

だけど、私だってそういう罠カードばっかりデッキに入れてる訳じゃないんだから!

「うっ…」

ライフが減ったことによるフィードバックで体が痛んだ。

MARIA
LP900→450

天から現れた、白い髭に白装束の老人がバリアに向かって手を翳す。
するとバリアは、パアンッと粉々に砕けて無くなった。

これで相手を守るものは何もない。

「トレミスの攻撃は続行されるよ!行け!スターリージャスティス!!」

互いのフィールドが、トレミスの攻撃の光で真っ白になった。

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

HAISU
LP1800→0



MARIA:WIN



「やったぁ!これで3個目!」

私は嬉々としてDゲイザーをはずした。

「いたた…。ふぅ…まだ中学生の子どもだと思い、侮っていましたよ」

相手のハートランドのスタッフ…『佐久里ハイス』さんは、立ち上がってズボンの汚れをはたき、シルクハットをかぶり直した。


大会を盛り上げるため、一部の腕の立つスタッフも仕事でWDC予選に出場している。対戦相手を見つけやすくするための、主催者側の配慮との事だ。

ただし大会に出場している以上スタッフも手は抜かない。対戦相手を見つけやすくなっても、欠片が集めやすくなったわけではないみたい。

事実、儀式召喚で相手が出した気味が悪いレベル1モンスターの効果で、私のビーハイブが装備カードとして奪われた時はどうしようかと思った…。

『激流葬』を使った後、互いに手札0でどちらが先にモンスター引いて攻撃するか、状態になった時もヒヤヒヤした…。

けれど、めでたく勝利!


ハイスさんは私の手のひらを取り、そっとハートピースを置いた。

「どうぞ、私のハートピースです」

「ありがとうございます!」

「本戦目指して、これからも頑張って下さい。私たちスタッフも、Mr.ハートランドも、大会が盛り上がることを期待していますよ」

「はい、頑張りますっ」

「では私はこれで失礼します」

ハイスさんは丁寧にお辞儀をしてから去っていった。
流石はハートランドのスタッフ、動作がいちいち丁寧だ。

観戦してくれていた二人が私に駆け寄ってくる。

「お疲れ。ギリギリで何とか勝てたね」

「まりちゃん2連勝おめでとう!今回のデュエルもヒヤヒヤしたよ、も〜!」

「あはは〜…ありがとう。今回も危なかったよ…」

デュエル中の事を思い出してちょっと凹んだ。
まあでも、勝てたしいい…よね?うん。

気を取り直してスカートのポケットからハートピースを取りだし、欠片をはめてみる。

……………あれ?

私はカチャカチャと欠片を動かす。
欠片がはまらない…。

二人が私のハートピースを覗きこんだ。

「真梨亜…その欠片の形、被ってんじゃない?」

「そうだねぇ。えみたんのいう通り、こっちの形と同じじゃない?」

れいちゃんが指差した欠片を一度外し、見比べてみた。
……うん、同じ形だ。

「はあ…マジかぁ」


初の欠片ダブりでした。


「どうする?もう夕方だし、今から次の相手を探したらデュエルが終わる頃には夜だけど」

えみたんの言う通り、空は薄くオレンジ掛かってきていた。



☆ ☆ ☆



「ただいま〜」

あの後、私は大人しくえみたんとれいちゃんと別れて帰宅した。

ハートピースを集めたかったけれど夜は流石に危ないからね。

リビングに行くと、仕事が休みだったお兄ちゃんがソファに座ってテレビを見ていた。

「お〜、おかえり。予選どうだった?」

「今のとこ、こんな感じかな」

欠片が2つに増えたハートピースを見せる。

「おぉ、頑張ってんじゃん」

「まあね!でも今回もヒヤヒヤしたデュエルだったよ……」

「デュエリストじゃない俺が言うのも何だが、まだまだお前は初心者だからデュエルに磨きをかけて頑張れよ」

「うん、そうだね……ははっ」


『近未来都市』や『デュエルの聖地』と呼ばれるハートランドは、他の町よりデュエリストが多い。ロボットを含め人口の約7割はデュエリスト。

そんな町で育ったのにお兄ちゃんはデュエルしないんだよね。
お母さんもお父さんもデュエリストじゃないから仕方ないかもしれないけど。


私もソファに腰掛け、それからテーブルにデッキを広げた。

今までのデュエルの数々を振り返ると、確かに私はまだまだ初心者だ。
自分のタクティクスとデッキを見直さないとね。

それにお兄ちゃんからこの前誕生日プレゼントにレアパック貰ったんだから、その分頑張らなきゃね!

帝野くん戦で活躍した魔法カード『死者蘇生』はそのパックに入ってたんだ。




そういえば……そのパックの中に真っ白なカードが一枚あったけど……

一体何だろう……?


つづく
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白紙のカード…うっ、頭が…←

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