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青春メモランダム
W.

…一ヶ月が経った。


相変わらず俺達は屋上で重箱に入ったお弁当を食べていた。
そろそろ肌寒いから屋内で食べようか、とかそんな談笑をしていた矢先だった。

プルルルッ―…

突然響いた"着信音1"に俺達の会話は中断された。

「悪い…っ。」

犯人は俺の携帯だった。

「大丈夫だよ。」

寂しそうに笑う羽鳥にもう一度謝ってから携帯のディスプレイを開く。

……俺は思い切り顔を歪ませた。

いつまでも鳴りつづけるソレに苛立ちを隠せないまま乱暴にボタンを押した。

「もしも…
「も〜っ!!璃斗!!なんで早く出てくれないのよ〜!」

電話の相手はこの前遊んだ女だった。

「…その必要がない。」

…つか軽々しく俺の名前を呼ぶんじゃねーよ。


「もうっ!!冷たいなぁ!!…で、今日暇〜?」

「なんで?」

「遊ぼうよ♪」

「却下。」

…俺がなんでお前と遊ばなきゃいけないんだよ。

イライラしながらもちゃんと返事をする俺は偉いと思う。

「何ソレー。ってか今回の彼女はまだ飽きないの?」

「…失礼な奴だな。」

「いつもなら一ヶ月ぐらいで"飽きた"とか言い始めるのに、珍しいなー…なんて♪」

そういえばコイツにはずっと付き纏われていた。…しかもコイツは俺が飽き性なのを知っている。
俺に彼女が出来ても俺から離れようとせずに、いつ別れるのかとよく聞かれていた…



今度はいつ"飽きる"のか―…




チラと横目で見た羽鳥は空を見上げていた。風で靡く彼女の髪がしなやかで可憐で、俺はいつの間にか電話を切っていた。

携帯をポケットに突っ込むと羽鳥が話終わったの?と聞いてきた。
…まぁ、無理矢理切ってしまったが…俺はこくりと頷いた。





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